駐車場メンテナンス 点検内容とは
機械式駐車場のメンテナンスにおける「点検内容」は、利用者の安全確保と故障の未然防止のために非常に多岐にわたります。
大きく分けて、**「外観・構造」「安全装置」「機械・電気系統」「消耗品・給油」**の4つのカテゴリーで詳しく解説します。
1. 外観・構造の点検
機械を支えるフレームや、車を載せるパレットの状態を確認します。
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パレットの状態: 錆(さび)、腐食、変形がないか。
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ピット内(地下部分)の状態: 浸水や漏水がないか、排水ポンプが正常に作動するか。
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塗装の状態: 防錆塗装が剥げていないか(放置すると構造自体の強度が落ちます)。
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ボルト・ナットの緩み: 各部の締結箇所に緩みがないか。
2. 安全装置の点検(最も重要)
事故を未然に防ぐためのセンサーやストッパーが正しく作動するかを確認します。
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各種センサー: * 車幅・車高オーバー検知センサー。
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人や障害物の侵入を検知する光電センサー。
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緊急停止ボタン: 押した瞬間に即座に動作が止まるか。
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落下防止装置: 万が一チェーンが切れた際に、パレットの落下を食い止める爪やロックが機能するか。
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インターロック機能: ゲートが開いている間は機械が動かない、などの連動機能の確認。
3. 機械・電気系統の点検
動力源となるモーターや、動作を伝えるパーツの点検です。
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駆動チェーン・ワイヤーロープ: 伸び、摩耗、亀裂がないか。これらは消耗品の中で最も重要です。
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モーター・減速機: 異音、異常発熱、油漏れがないか。
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制御盤: ブレーカーの作動、電磁接触器の消耗、配線の緩みや焦げがないか。
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操作盤: ボタンの反応、表示灯の球切れ、液晶パネルの表示確認。
4. 消耗品・給油・清掃
スムーズな動きを維持し、摩擦による劣化を防ぎます。
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給油・グリスアップ: チェーン、スプロケット、ガイドレールなどへの潤滑剤塗布。
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作動油(油圧式の場合): オイルの量、汚れ、漏れの確認。
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清掃: センサーのレンズ清掃(汚れによる誤作動防止)や、パレット上の異物除去。
点検の頻度と法的側面
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定期点検(通常 1〜3ヶ月に1回): 専門のメンテナンス業者と契約し、上記の内容を定期的にチェックします。
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特定建築物定期報告(年1回など): 一定規模以上の建物に附置された駐車場の場合、建築基準法に基づき、有資格者による点検結果を特定行政庁に報告する義務があります。
メンテナンスのポイント:記録の確認
点検が終わると必ず「点検報告書」が発行されます。以下の内容をチェックする習慣をつけると、老朽化対策の計画が立てやすくなります。
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「要回答」や「要修理」の項目: 放置すると事故や閉じ込めトラブルに直結します。
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部品の交換推奨時期: 「チェーンはあと○年で交換」などの目安を確認し、修繕積立金の計画に反映させます。
具体的な点検費用や、特定のメーカー(二段式、多段式、エレベーター式など)の点検項目についてさらに詳しく知りたい場合は、お気軽にお尋ねください。
